さくらワイン研究所

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ブラインドテイスティング@エノテカ 丸の内Lounge | サッシカイア & シャトー・ランシュ・バージュ ファーストラベル・セカンドラベル

赤ワイン ファーストラベル セカンドラベル 飲み比べ

こんにちは、さくらワイン研究所 研究員見習いのMです。今日は(ノリで)ブラインドテイスティングをしてみたのでその感想をお届けします。

今回はエノテカさんの丸の内店Loungeにてブラインドテイスティングを試してみました!

普通のグラスワインを飲むつもりで、ブラインドテイスティングをする気は全くなかったのですが、数日前まで行っていたテイスティングのワインがまだ余っているとのことで面白そうだと思って初チャレンジしてみました。

対象のワインは以下の4種類を50mlずつで6,600円でした。

ワイン / ワイナリー

ボトル価格

品種・製法

説明文

シャトー・ランシュ・バージュ 2020年 /

シャトー・ランシュ・バージュ (フランス ボルドー ポイヤック)

26,400円

カベルネ・ソーヴィニヨン 60% / メルロ 31% / プティ・ヴェルド 5% / カベルネ・フラン 4%

新樽比率75%のフレンチオークで18ヶ月熟成

飲み頃: 〜2065年

メドック格付け第五級に位置し、複雑味溢れるアロマと素晴らしい凝縮感、そして長期熟成のポテンシャルを備えた高いクオリティで知られるシャトー・ランシュ・バージュ。メドック格付け第一級シャトーであるムートンとラフィットに挟まれた好立地に位置し、格付け以上の評価を獲得しているポイヤックを代表するシャトーです。ファーストラベルはカベルネ・ソーヴィニヨンの比率が高いことにより、タンニンが豊富で凝縮感があり、厚みがある力強い味わいが特徴。また、豊潤でスパイシーな香りは「富裕層未満のシャトー・ムートン・ロスチャイルド」と評されています。テロワールに裏打ちされ、熟成によって真価を発揮する逸品を是非お楽しみください。

美しいルビー色の外観で、グラスからはカシスやブラックベリー、黒鉛やヘーゼルナッツ、スパイスやトーストのニュアンスが漂います。口に含むと強い凝縮感が感じられ、繊細でベルベットのような質感の口当たりが特徴。上質な酸が黒系果実の風味と溶け合った後、ミネラル感を含む余韻へと誘います。熟したフルーツとスミレ、クローヴや甘草などの後味が渾然一体となり、長く持続。素晴らしい出来栄えのヴィンテージです。

エコー・ド・ランシュ・バージュ 2020年 /

シャトー・ランシュ・バージュ

8,800円

カベルネ・ソーヴィニヨン 60% / メルロ 40%

1年間使用した樽で12ヶ月熟成

飲み頃: 〜2038年

ファーストラベルとの違いは、ブドウの樹齢が若いこと。カベルネ・ソーヴィニヨンに対しメルロの比率が若干高いことのみです。

製法はランシュ・バージュと全く同じで、丁寧に手摘みされたブドウをステンレスタンクで醸造した後、フレンチオークで熟成されます。若樹のブドウを使用しているため、フルーツやスパイスの香りがより強調され、タンニンも軽やか。生産量は、なんとランシュ・バージュの20~30%という、実は非常に貴重なセカンドラベルなのです。

外観は紫がかったルビーの色調。フレッシュなレッドカラントとラズベリー、ブラックベリーを思わせる果実のアロマが溢れ出します。加えてリコリスやクローブ、黒鉛などのニュアンスが重なる複雑な印象。豊潤な果実味としっかりしながらもきめの細かいタンニンが織り成す、魅惑的な味わいです。伸びやかな酸が果実味を下支えし、調和の取れた仕上がり。長く心地よい余韻が飲むものを魅了します。

サッシカイア 2020年 /

テヌータ・サン・グイド (イタリア トスカーナ ボルゲリエリア)

29,700円

カベルネ・ソーヴィニヨン 85% / カベルネ・フラン 15%

新樽比率45%のフレンチオークで25ヶ月間熟成

飲み頃: 〜2055年

1944年にシャトー・ラフィットから持ち込んだカベルネ・ソーヴィニヨンの苗を作付けしたのがサッシカイアのはじまりです。「サッシ=石、カイア=〜な場所」と名前が表す通り、メドック地区に似た石ころだらけの畑であり、カベルネ・ソーヴィニヨンに最適な地質でした。1970年代になると徐々に世界的な販売を開始しました。当時は、ワイン法上、格の高い原産地呼称D.O.C.G.を名乗ることができませんでしたが、サッシカイアはその味わいで1990年代から全世界で熱狂的なブームへ。IGTトスカーナ=テーブルワインという格下の呼称でありながら、卓越した品質を誇ったためスーパータスカンと呼ばれ、賞賛されるようになりました。

グラスに注ぐと、輝きを伴う、深みを帯びたルビー色に目を奪われます。熟したブラックベリーやカシスのリッチなアロマに、スミレの花やハーブのフレッシュな香りが特徴。時間の経過と共に、甘やかなタバコやバニラ、カラメルやバルサミコのニュアンスが加わり、複雑な印象に昇華します。口に含むとまず、繊細でしなやかなタンニンが感じられ、豊かなテクスチャーとともに、凝縮感溢れる果実味が広がる印象です。エネルギッシュで凛とした酸がジューシーな風味を引き立てながら、美しいバランスを保っており、エレガントで上品な味わいを演出しています。

グイダルベルト 2020年

テヌータ・サン・グイド

7,700円

カベルネ・ソーヴィニヨン 50% / カベルネ・フラン 50%

フレンチ・アメリカンオークの樽で15ヶ月間熟成

飲み頃: 〜2032年

2018年のワインスペクテーター年間トップ100において、見事1位を獲得し、世界のワイン史に強烈な影響を与え続けている、イタリアワイン界の偉大な造り手テヌータ・サン・グイド。こちらは「サッシカイアとは異なるアプローチで、より多くの人々にボルゲリの特異なテロワールとテヌータ・サン・グイドの魅力を表現するワイン」というコンセプトのもの、長い熟成を待たなくてもワインを存分に愉しんでいただけるよう造られています。

レッドチェリーやプラムの甘く爽やかな酸味のある果実のアロマに、ミントやバラ、杉のニュアンスが漂います。きめ細やかなタンニンがフレッシュな果実味と相まって、心地よいミディアムボディの味わい。余韻にはきのこやタバコのヒントが現れ、若いうちからももちろん愉しめますが、熟成も大いに期待できます。

下の画像のような形で出てきました。

うーん、違いが全くわかりません(笑)

席のライティング・影の問題もあって色が分かりづらいため1つずつ近づけて見てみます。

まずは1番から。

赤くて美味しそうなワインですね。

次に2番。

うん、こちらも赤くて美味しそうなワインです。

そして3番。

もちろん、こちらも赤くて美味しそうなワインです。

最後に4番。

はい、こちらも赤くて美味しそうですね〜。

って全く分からん!

2,3回近づけて、光に透かしたりじっくり見てみて気づいたのは、3番だけ明らかに色が濃いことが分かりました。他は似たような色合いで、番号札を取ってしまったら私のようなシロートには判別が付きません...

最終的には色が濃い順番に以下だと感じました。

  • (色が濃い) 3 >>> 2 > 4 > 1 (色が薄い)

香り

お次に香りを確認してみます。ちなみに私は鼻炎持ちで秋も花粉症があるので信頼性は限りなく低いです。

  • 1番: ベリー感とパンの香ばしさのような香り
  • 2番: 酸っぱい香り
  • 3番: ベリージャムのような香り
  • 4番: 薄い香り。酸味のある花。

感想が貧弱ですし、未来の私に何にもヒントを与えてくれません。2番にいたっては悪口にすら見えます。

そしてこれ、何度も嗅ぎ直していると逆に分からなくなってきます。1番のパン感は何度も確認できたので、私の嗅覚上では幻想ではなさそうです。4番は言葉にできず、無理やり何とかひねり出した表現がそれです。

さて次はお味です。どれだけ味が違うのか...

  • 1番: 酸味あり、複雑な味。
  • 2番: 爽やかな微ハーブ感からの野原のベリー、そして鉛筆。
  • 3番: クリーミー。
  • 4番: ラムネ。軽い酸味と甘味。

これも本当に分からないです。

ワイン単体で飲んで分かりやすく1番美味しいと思ったのは3番です。

味が特徴的なのは4番。1番は味の表現がうまくできませんでした。

2番が固有名詞が出てきたので、説明文から当てやすそうだなと思いました。

推測

説明文を見ながら何度も飲み直してはあーでもない、こーでもないとぶつぶつ言いながら、ワインが注がれてから20~30分くらいかけて最終的に以下の推測をしました。

  • 1番目: シャトー・ランシュ・バージュ
  • 2番目: グイダルベルト
  • 3番目: サッシカイア
  • 4番目: エコー・ド・ランシュ・バージュ

まず2番と3番、そして1番と4番は同じワイナリーだと推測しました。味の系統が似ています。

次にシャトー・ランシュ・バージュの説明文の「富裕層未満のシャトー・ムートン・ロスチャイルド」 というところで、同じくエノテカでファースト・セカンド飲み比べで飲んだ味をヒントに、スパイスっぽいという表現が一番合いそうな1番にしました。そうすると4番はセカンドのエコー・ド・ランシュ・バージュになります。

そして3番が美味しかったのでサッシカイアとし、2番をグイダルベルトとしています。

果たして結果は...

回答

正解は以下の通りです。

  • 1番目: シャトー・ランシュ・バージュ -> グイダルベルト
  • 2番目: グイダルベルト -> エコー・ド・ランシュ・バージュ
  • 3番目: サッシカイア -> シャトー・ランシュ・バージュ
  • 4番目: エコー・ド・ランシュ・バージュ -> サッシカイア

わー! 全部違う!!!

見事に玉砕しました。

言い訳をさせてもらうと、「富裕層未満のシャトー・ムートン・ロスチャイルド」という説明文に惑わされました。グルーピングは合っていたので、単純に一番美味しいと思った3番を、飲み慣れているフランスのワインであるシャトー・ランシュ・バージュにすれば良かったのです。

とはいえこれは正解を知った後から言えるのであって、似たようなブラインドテイスティングしたらまた間違えそうです。

とても面白く学ぶことも多かったので機会があればまたチャレンジしてみたいと思います!

ペアリング

さて、ここからはフードとの相性を確かめてみます。

試したフードは以下の6種類です。

フード

1番合うと思ったワイン

コメント

サラミ(オーストラリア)

シャトー・ランシュ・バージュ

サラミはランシュ・バージュの2つの方が良いと思いました。

テヌータ・サン・グイドの2つは、サラミの味が強くワインの味が消えてしまってもったいない感がしました。

生ハム(スペイン)

サッシカイア

生ハムはテヌータ・サン・グイドの2つが合います。

エコー・ド・ランシュ・バージュは何か違う気がしました。

チーズ(コンテ 18ヶ月熟成)

シャトー・ランシュ・バージュ

シャトー・ランシュ・バージュとコンテチーズが混ざり合って美味しいです。グイダルベルトもいい感じに美味しかったです。

サッシカイアだとチーズが邪魔をしてワインの余韻が楽しめなかったです。

オリーブ

サッシカイア

サッシカイアはオリーブの酸味といい感じに合っている気がして美味しいと感じました。

サッシカイア以外は特にハーモニー感はなく普通で、グイダルベルトは逆にオリーブの酸味に負けてしまっている感が少しだけありました。

バゲット

シャトー・ランシュ・バージュ or グイダルベルト

水と一緒に味覚のリセットに使っていてあまり残っておらずメモがほぼなかったのですが、クリーミーなシャトー・ランシュ・バージュと合いました。

また香りのニュアンスに含まれるグイダルベルトにも合っていると感じます。

ドライフルーツ

グイダルベルト

ドライフルーツはどのワインにもめちゃくちゃ合いました。ランシュ・バージュは混ざり合う感じがします。

これを踏まえて自身でボトルを買うとしたら、以下の2つかなと思いました。

  • シャトー・ランシュ・バージュ (ファーストラベル)
  • グイダルベルト(セカンドラベル)

シャトー・ランシュ・バージュは単体で飲んでも、フードに合わせてもわかりやすく美味しいと感じました。

グイダルベルトは単体で飲んでるときはよく分かりませんでしたが、生ハムやチーズ、ドライフルーツと合わせるとハーモニー感が味わえると思いました。

一緒に付き合ってくれたNくんはエコー・ド・ランシュ・バージュ(セカンド)が一番美味しいと思って、「買うならこれ」と言っていたので、みなさまも自分の好みの1本は分かれると思います。

今日学んだこと

本日学んだことは以下の3点です。

  • サッシカイアの味(私のなかではラムネ)
  • 私の語彙力の貧弱さ
  • ブラインドテイスティングは楽しい!

また機会があればリベンジしたいです!